お金の雑学

パワーカップルとは?その定義と特徴に迫る!

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モナママ
モナママ
最近、時々「パワーカップル」っていう言葉を聞くよね。きっと私達のような共働き世帯のことを指す言葉だと思うんだけど。
モナパパ
モナパパ
「パワーカップル」には色々な定義があるみたい。けど、単純な共働き世帯というわけではなくて、世帯年収もその定義に含むのが一般的みたいだよ。

共働き世帯が多くなり、「パワーカップル」という言葉が良く聞かれるようになっています。「パワーカップル」という言葉には統一された定義はなく、様々な場面で異なる定義で使われているようです。

本ページでは、「パワーカップル」の最も一般的な定義と、その特徴を解説します。

「パワーカップル」の定義

夫婦格差社会(中公新書)における定義

「パワーカップル」という言葉は以下の書籍(2013年発売)がきっかけとなって使われ始めたと言われています。

こちらの本では、高学歴・高所得の夫婦を「パワーカップル」とし、低所得の「ウィークカップル」と対比させています。「パワーカップル」の象徴として”夫が年間所得1,600万円以上、妻が年間所得も1,000万円以上という夫婦”を挙げています。敷居がかなり高いです。

ニッセイ基礎研究所における定義

以下のニッセイ基礎研究所のレポート(2017年)によると、夫婦とも年収700万円超は共働き世帯を「パワーカップル」と定義しています。「夫婦格差社会」における定義に比べると比較的敷居が低いです。

「パワーカップル」世帯の動向(1)-夫婦とも年収700万円超は共働き世帯の約2%でじわり増加。夫が高年収でも働く妻は増加傾向、夫婦間の経済格差拡大か。-ニッセイ基礎研究所

三菱総合研究所における定義

以下の産経新聞の記事によると三菱総合研究所は『「パワーカップル」は共働きで、夫の年収が600万円以上、妻が400万円以上で世帯年収が1千万円以上の夫婦』としているようです(2018年)。

高い購買力・情報発信力…企業が熱視線 共働き高収入夫婦「パワーカップル」-産経新聞

本ページにおける定義

こうしてみると、時が経つにつれて「パワーカップル」と呼ばれるための敷居が低くなっているようにも見えますね。時代にあわせて変化していると言えるかもしれません。

本ページでは「パワーカップル」として、2018年12月現在で最も良く使われていると考えられる、ニッセイ基礎研究所における定義である「夫婦とも年収700万円超は共働き世帯」を採用し、上記で示したレポートを参考に考察します。

「パワーカップル」の特徴

ここからは夫婦とも年収700万円超は共働き世帯である「パワーカップル」の特徴を、その世帯数の側面から見ていきます。

所得金額階級別に見た世帯数の割合

「パワーカップル」の世帯数を確認する前に、まずは日本全体の世帯の所得金額階級別に見た分布を確認します。

power-couple-1「パワーカップル」世帯の動向(1)-夫婦とも年収700万円超は共働き世帯の約2%でじわり増加。夫が高年収でも働く妻は増加傾向、夫婦間の経済格差拡大か。-ニッセイ基礎研究所

所得金額2,000万円以上の世帯はわずか1.3%。それを含めた1,500万円以上の世帯でも3.3%と、かなり低い。

ボリュームゾーンは世帯年収100~200、200~300、300~400万円のレンジで、合計40.3%となっていますね。

夫妻の年収階級別に見た共働き世帯数

さて、それでは「パワーカップル」についてみていきましょう。

総務省「平成28 年労働力調査」によると、共働き世帯(夫婦ともに就業者の世帯)は1,389 万世帯であり、総世帯の27.8%を占める。
「パワーカップル」世帯の動向(1)-夫婦とも年収700万円超は共働き世帯の約2%でじわり増加。夫が高年収でも働く妻は増加傾向、夫婦間の経済格差拡大か。-ニッセイ基礎研究所

この、共働き世帯(就業者夫婦世帯)の所得状況についての分析です。

power-couple-2「パワーカップル」世帯の動向(1)-夫婦とも年収700万円超は共働き世帯の約2%でじわり増加。夫が高年収でも働く妻は増加傾向、夫婦間の経済格差拡大か。-ニッセイ基礎研究所

こちらの上の方の画像の表の右下の四角で囲まれているところが「パワーカップル」世帯(夫婦共年収700万円超)です。この四角の中の数字を合計すると25万世帯で、全体の0.5%で、共働き世帯の1.8%となります(下の方の画像を参照)。

世帯類型別に見た夫婦ともに年収700 万円超の世帯数の推移

低所得化が叫ばれていますが、意外にも「パワーカップル」世帯は近年増えています。

power-couple-3「パワーカップル」世帯の動向(1)-夫婦とも年収700万円超は共働き世帯の約2%でじわり増加。夫が高年収でも働く妻は増加傾向、夫婦間の経済格差拡大か。-ニッセイ基礎研究所

具体的には、夫婦のみ、または、夫婦と子からなる核家族が増えています。

冒頭の「夫婦格差社会」でも指摘されていることですが、妻が高年収であるほど夫も高年収であるという傾向が見られており、今後さらに「パワーカップル」が増えているのでしょう。年収700万円自体がそこまで多くないことから、夫婦(世帯)間の経済格差が今後さらに広がっていくという兆候があるのかもしれませんね。

まとめ

  • 「パワーカップル」には明確な定義はない。
    • 夫が年間所得1,600万円以上、妻が年間所得も1,000万円以上という夫婦
    • 夫婦とも年収700万円超は共働き世帯
    • 夫の年収が600万円以上、妻が400万円以上で世帯年収が1千万円以上の夫婦
  • 夫婦とも年収700万円超の共働き世帯(「パワーカップル」)は25万世帯。全体の0.5%、共働き世帯の1.8%。
  • 妻が高年収であるほど夫も高年収であるという傾向が見られており、今後さらに「パワーカップル」は増える傾向。