世界の各国の平均年収を知る機会ってあまりないですよね。
本ページでは世界と日本の平均年収をその推移を含めて比較します。
参考にした統計
世界各国の平均年収に関しては、OECD(Organisation for Economic Co-operation and Development、経済協力開発機構)があります。
OECDの設立経緯は経済産業省のHPによると以下の通りです。
第二次大戦後、米国のマーシャル国務長官は経済的に混乱状態にあった欧州各国を救済すべきとの提案を行い、「マーシャルプラン」を発表しましたが、これを契機として、1948年4月、欧州16か国でOEEC(欧州経済協力機構)が発足しました。これがOECDの前身にあたります。その後、欧州経済の復興に伴い1961年9月、OEEC加盟国に米国及びカナダが加わり新たにOECD(経済協力開発機構)が発足しました。我が国は1964年にOECD加盟国となりました。
また、目的と加盟国は以下のとおりです。
OECDの目的
OECDは、先進国間の自由な意見交換・情報交換を通じて、1)経済成長、2)貿易自由化、3)途上国支援(これを「OECDの三大目的」といいます)に貢献することを目的としています。
OECDの加盟国
現在、OECDの加盟国は以下の35か国となっています。
(1)EU加盟国(22か国)イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、フィンランド、スウェーデン、オーストリア、デンマーク、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、アイルランド、チェコ、ハンガリー、ポーランド、スロヴァキア、エストニア、スロベニア、ラトビア
(2)その他(13か国)日本、アメリカ合衆国、カナダ、メキシコ、オーストラリア、ニュージーランド、スイス、ノルウェー、アイスランド、トルコ、韓国、チリ、イスラエル
OECDは各国の各種統計値をホームページで公表しており、参考になります。本ページのグラフを作りにあたって、OECDが公表している平均賃金のデータを参照しています。
世界各国の平均年収の比較
2017年の平均年収
世界の年収推移を見る前に、2017年の世界各国の平均年収を確認します。
国 | 平均年収(ドル) |
オーストラリア | 49125 |
オーストリア | 50348 |
ベルギー | 49674 |
カナダ | 47621 |
スイス | 62282 |
チリ | 25878 |
チェコ | 25372 |
ドイツ | 47585 |
デンマーク | 51466 |
スペイン | 38507 |
エストニア | 24335 |
フィンランド | 42963 |
フランス | 43755 |
英国 | 43731 |
ギリシャ | 26064 |
ハンガリー | 22575 |
アイルランド | 47652 |
アイスランド | 61786 |
イスラエル | 35067 |
イタリア | 36658 |
日本 | 40862 |
大韓民国 | 35191 |
リトアニア | 24286 |
ルクセンブルク | 63062 |
ラトビア | 23683 |
メキシコ | 15313 |
オランダ | 52876 |
ノルウェー | 51212 |
ニュージーランド | 40042 |
ポーランド | 27046 |
ポルトガル | 25366 |
スロバキア | 24327 |
スロベニア | 34932 |
スウェーデン | 42392 |
米国 | 60558 |
表だけだと分かりにくいので、グラフ化します。
1位はルクセンブルク、2位スイス、3位アイスランド、4位米国・・・といった形です。特にルクセンブルクは労働生産性が高い国としてよく紹介されますね。
平均年収の推移の比較
全ての国の平均の推移をグラフとするのでは見辛いので、独断と偏見ですがEU加盟国から5カ国、EU非加盟国から5カ国を選定し、こちらの国の2010年から2017年までの推移をグラフ化します。
EU加盟国:英国、ドイツ、フランス、イタリア、ルクセンブルク
EU非加盟国:日本、アメリカ合衆国、オーストラリア、スイス、大韓民国
少なくとも2010年以降、平均年収が高いところは高いまま、低いところは低いままですね。OECD加盟国はある程度成熟した国が多いので、こういった結果になっていると考えられます。
メルケル首相の手腕によるものか、ドイツが右肩上がりですね。
日本は上がったり下がったりの横ばい。
イタリアは残念ながら右肩下がりで、近場の韓国は素晴らしい右肩上がりですね。
まとめ
- OECD加盟国で平均年収1位はルクセンブルク、2位スイス、3位アイスランド、4位米国
- OECD加盟国で日本は平均年収18位(全35カ国中)
- ドイツと韓国の平均年収は2010年から上がり続けている
- イタリアの平均年収は2010年から下がり続けている