私たちの身の回りにはいないのですが、世の中には富裕層と呼ばれるお金持ちがいます。富裕層という言葉は聞いたことはありますが、いったいどんな人達を指すのかはいまいち分からなかったりしますよね。
本ページでは、富裕層と呼ばれる人たちが人たちの定義や日本での割合を考えてみます。
富裕層の定義と割合
まずは、富裕層の定義と割合を見てみます。今回参考にしたのは、野村総合研究所のNews Releaseです
富裕層の定義
野村総合研究所(NRI)は、純金融資産保有額(保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた値)に基づく世帯階層は、次のように分類しています。
超富裕層 | 純金融資産5億円以上 |
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富裕層 | 純金融資産1億円以上5億円未満 |
準富裕層 | 純金融資産5,000万円以上1億円未満 |
アッパーマス層 | 純金融資産3,000万円以上5,000万円未満 |
マス層 | 純金融資産3,000万円未満 |
純金融資産の定義から分かるとおり、単純に保有する資産だけではなく、住宅ローン等の借金(負債)を引いた額で富裕層かどうかを決めています。また、年収もこの定義に含まれていませんね。
富裕層の割合
各階層の世帯数の推計結果です。
純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数(出典:野村総合研究所のNews Release)
当然ながら、資産を持つ階層ほど数が少なくなっていますね。これだけだと分かりにくいので、各階層の割合を計算してみました。各階層の世帯数の合計を100%として計算しています。(小数点2桁目を四捨五入)
超富裕層 | 0.14% |
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富裕層 | 2.16% |
準富裕層 | 5.95% |
アッパーマス層 | 12.86% |
マス層 | 78.88% |
やはりマス層が圧倒的ですね。8割弱がマス層に該当していることが分かります。普通の人が富裕層に到達するのは中々難しいことが想像されます。
富裕層は増加中
しかしながら、富裕層は年々増加しています。
純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移(出典:野村総合研究所のNews Release)
理由は、以下のとおりに推測されています。
富裕層および超富裕層の保有する純金融資産保有額の増加は、前述のように、安倍政権下の経済政策(いわゆるアベノミクス)による株価上昇がこの期間続いたため、もともと富裕層および超富裕層の人々の保有資産が拡大したことに加え、金融資産を運用(投資)している準富裕層の一部が富裕層に移行したためと考えられます。
つまり、資産を投資に回すことができた人がさらに資産を増やしている。富める者はますます富んでいる、ということですね。世知辛い世の中ですね。。
気づいたこととして、そもそも世帯数自体が年々増えていますね。日本の人口は減っているはずなので、核家族化が進んでいるということなのでしょうか。このあたりはまた別の機会に深掘りしてみます。
富裕層が考えていること
富裕層は一体何を考えているのでしょうか。
資産の生前贈与の実施経験と、未経験者の生前贈与に対する関心(出典:野村総合研究所のNews Release)
(注)本人と配偶者の保有する金融資産が1億円以上の企業オーナーを対象
そう、資産の生前贈与なんですね。金持ちに生まれた子は金持ちということです・・・ポイントは、上記のアンケートは本人と配偶者の保有する金融資産が1億円以上の企業オーナーを対象であるということです。野村総合研究所さん、、、生前贈与のアンケートの対象は1億円以上持っている人じゃないと意味がないということなんですね(笑)
資産の生前贈与に対する考え方(出典:野村総合研究所のNews Release)
(注)本人と配偶者の保有する金融資産が1億円以上の企業オーナーを対象
自分の財産の大半を生前贈与することに抵抗がない人も多数おり、我々庶民からすると腹が立たないこともないのですが、早めに現役世代に生前贈与してもらって一杯使って貰い、経済を回して貰った方が結果的には良いのかもしれません。
富裕層になるためには
生まれながらの富裕層ではない我々が富裕層になるためにはどうすればよいのでしょうか。
重要、かつ、比較的実現可能な手段は共働きです。税制面からも片働きよりも共働きの方が優遇されています。
家計管理も重要です。夫婦で浪費癖が付いていると共働きでもお金は貯まりません。
思い切って、年収が高い業界に転職するというも一つの手かもしれません。
そして、やはり資産運用が重要ということです。
まとめ
- 富裕層の一つの定義は純金融資産1億円以上
- 富裕層は日本に3%強しかいない
- 富裕層の割合は昨今のアベノミクスの好影響で増えている
- 生まれながらの富裕層になるためには共働きと資産運用が重要
野村総合研究所は2017年に同様の調査をしています。